自然エネルギーのまち

2016年8月1日

稼働中の長谷地区の発電所
建設中の春富水力発電所

中央アルプスの麓(ふもと)、小黒川のキャンプ場のすぐ上に「小黒発電所」があります。

大正2年(1913年)の運用開始ですから、今年で103年を迎えたことになります。伊那谷で一番古い発電所です。

メンテナンスや大規模改修時の停止を除けば、一日も休まず発電し続けて伊那谷に電力を供給してきたわけです。水力発電は極めて効率の良い、また長寿命の優れた発電施設であることを証明しています。

 先日伊那市長谷の農業用水路で小さな水力発電所の竣工式がありました。美和一貫水路(みわいっかんすいろ)を活用した12キロワットの施設です。

また富県桜井地区でも伝兵衛井筋(でんべえいすじ)の分水工の水を利用した発電所の建設も進んでいます。ここは約23メートルの落差を使って、197キロワットの発電出力があります。さらに高遠ダムから毎秒0.96トン流れ出ている三峰川の維持水量を活用した水力発電所の建設は、長野県企業局が事業主で180キロワットの発電予定です。


 伊那市にはすでに稼働している水力発電所がいくつもあります。

最大のものは長野県企業局の春近発電所の23,600キロワット、他に美和発電所、西天竜発電所に加え、三峰川電力株式会社の三峰川第一・第二・第三・第四発電所などがあり、変わったところでは南アルプス北沢峠のこもれび山荘とトイレに電力供給している藪沢(やぶさわ)水力発電所(9.9キロワット)があります。


 近頃、原子力発電所の再稼働問題がかまびすしかったり、また京都議定書によるCO2削減の方向がぼやけてきたりと、日本のエネルギー事情は先行き不透明のようです。

伊那市では豊富な水資源と落差のある地形を活かした水力発電所の積極的導入と、併(あわ)せてペレットや薪などの木質バイオマスの活用を進めることにより、ささやかであっても環境負荷の削減と自然エネルギー利用に貢献する活動をしています。

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