カレー大作戦 (12月までに5回開催,17ヶ所)

昨年の8月4日(水)、富県公民館には大勢の子どもたちが集まっていました。
お母さんやおじいちゃんに手を引かれて、キッチンカーの前に並んでいました。
みんな笑顔で久しぶりに会う友達と話をしています。
お目当てはプロの料理人が作った「カレー」です。
地域のボランティアの皆さんに混じって、高校生も配膳のお手伝いをしています。
カレーは瞬く間に無くなっていきます。
夏休み前に新型コロナウイルスの蔓延で学校が休業になってしまいました。
授業はタブレット端末を使った遠隔授業で何とかしのぎましたが、学校給食が無くなったことで食事を満足に摂れない子どもが顕在化してきました。
親の仕事がなくなったり、給料が減ってしまったりと、困窮に瀕する家庭が増えてきたのです。
伊那市では子ども食堂の連絡会を立ち上げ、どんな子どもも分け隔てなく美味しい食事が食べられる体制をとることとしました。
職員からもレトルト食品、ラーメン、お菓子、お米、缶詰などを提供してもらい、社会福祉協議会を通じて困っている家庭に届け始めると、市内企業や個人の方からも食材の提供や寄付金が相次ぎ、瞬く間に市内に支援の輪が広がっていきました。
そんな時、社会福祉協議会の職員等の発案で「カレー大作戦」が始まりました。
子ども食堂、企業の構内などで美味しいカレーを提供しようとする計画です。
子ども食堂のない地域には、キッチンカーを持っている飲食店の皆さんが「俺たちにまかせてくれ!」と応援に駆けつけてくれました。
「カレー大作戦」は、12月までに5回開催され、場所も17ヶ所に増え、多い時には1,500食ものカレーが提供されました。
そして市内の飲食店からも子どもたちに無料で食事を出してくれる方々も現れました。
フードバンクにも毎日のように食料品が届けられ、寄付金も300万円程集まり、暮れの27日には、子育て世帯への食料配布として「クリスマスプレゼント会」も開かれ、大盛況に終わりました。
「カレー大作戦」も「クリスマスプレゼント会」も「子ども食堂」もすべて伊那の皆さんの善意であり、優しさであり、さりげない温かさだと思うのです。