若宮団地の建て替え「センシオーネ」(仙塩尾根)

新しいスタイルの集合住宅

伊那市営住宅は、公営住宅とその他住宅を合わせて725戸あります。

なかでも大きな団地の大萱(おおがや)住宅、若宮(わかみや)住宅などは老朽化が著しく進んでいます。

例えば大萱は昭和38年から建て始めて、昭和42年に104戸全棟完成していますから、古い住宅は57年経っています。

若宮は昭和43年から建設が始まり、220戸全てが完成したのが昭和53年です。ここも53年経過しています。

伊那市では古い市営住宅の建て替えに取り掛かっています。

なかでも若宮団地は、高齢者用の集合住宅20戸(平屋)、若者・子育て住宅、一般公営住宅、既存住宅のリフォーム住宅にエリアを分け、令和元年から令和6年にかけて順次建設する予定です。

今年8月末に完成予定の高齢者集合住宅は、現代社会の課題解決に向けた設計コンセプトとしては秀逸(しゅういつ)な建物と自負しています。

概要を少しお話しましょう。

建屋は木造平屋建ての集合住宅で、伊那産の木材をふんだんに使用しています。

入居予定は高齢夫婦用に6部屋、高齢の単身者用が14部屋、それに広い共有スペースには、キッチン・テーブル・畳コーナーなどがあり、入居者がお茶を飲んだり、介護予防活動を行ったり、おしゃべりを楽しんだりすることのできる空間です。

外には家庭菜園の畑もあります。

お年寄りの皆さんは畑仕事を懐かしみ、また近所の子どもたちと一緒に野菜を作り、そして収穫から調理まで皆で行う仕掛けです。

共有スペースは、時には「子ども食堂」に変身します。

薪ストーブのある暖かなスペースは笑い声の絶えない、明るい笑顔が溢れていることでしょう。

20あるそれぞれの部屋には、ペレットボイラーの暖房設備が置かれ、CO2削減と再生可能エネルギーの温もりを与えてくれます。

緊急時には住宅のすぐ隣に介護施設がありますから、24時間安心の見守り施設となっています。

この施設の愛称は「センシオーネ」と言います。

木造平屋建ての建物を南アルプスの山並に見立て、仙丈ヶ岳と塩見岳を結ぶ登山ルートの「仙塩尾根」を捩(もじ)った名前のようです。

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