幸せの青い車 (モバイルクリニック)

地域医療の救世主 モバイルクリニック

体の不自由な方、高齢の方、車の免許のない方などが、お医者さんに行くにはとても大変です。

伊那市街地の病院や医院、農村部の診療所、伊那中央病院であっても、バス・タクシー・自家用車で移動できる方はまだしも、慢性疾患の患者さんや車いすの方などは、お医者さんに行くにはなおさら大変な苦労です。

それではお医者さんに往診に来てもらえば良いのでは?と考えますが、伊那市をはじめ地方都市は慢性的な医師・看護師不足が現状です。

そこでその課題解決策として取り組んだのが「モバイルクリニック」です。

平易に表現すれば、お医者さんの乗らない移動診察車です。

具体に内容を説明すれば、車(ワゴン車)には看護師と運転手が乗っています。

車には血圧・心電図・脈拍・血糖値などが測定できる医療機器が搭載されています。

その車が慢性期の患者さんの自宅まで出向き、看護師が医師の指示に従って検査や必要な処置を行います。

医師は自分の医院や病院にいたまま、ビデオ通話でテレビ画面を通じて遠くから患者と会話をしながら診察をするわけです。

そして最初の診察が終われば、移動診察車は次の患者のところに移動して、ビデオ通話で遠くにいる先生に診てもらうという仕組みです。

現代社会の高齢化、医師不足、移動困難者の増加するなかで、医療に欠けるみなさんには大きな希望となると思います。

この「モバイルクリニック」は、6年前から構想を練り始めました。

医療行為や薬局での調剤の受け渡しに関しては国の制度や法律に照らし合わせました。

協力していただく医師は伊那市医師会を通して参加をしてもらいました。

何よりトヨタ・モビリティ基金の採択を得て3,000万円の資金支援をもらい(伊那市の持ち出しは「0円」)、移動診察用ワゴン車の製作は、ソフトバンクとトヨタの共同出資会社のモネ・テクノロジーズと、世界的な医療メーカーのフィリップス社にお願いして進められたのです。

日本初の遠隔診察が伊那市から始まりました。移動診察のワゴン車は青い車です。

幸せを運んでくれる青い車は、最先端のテクノロジーの力で地方の抱える課題を解決し、慢性疾患の患者さんに幸せを届ける車です。

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