サンタクロースの国とのおつきあい

ムーミン谷に暮らすムーミンとパパとママ、それにミイやス ナフキンにニョロニョロが登場する物語は、世界中の子ども たちに人気です。

クリスマスに子どもたち が待ち望んでいるのがサンタクロースです。

どちらも北欧フィ ンランドが発祥の地だということをご存知でしょうか。

森林 と湖の国、世界でも幸福度が高い国、教育水準が一番の国、 ヨーロッパの森林の首都、ムーミンとサンタクロースのいる国 がフィンランド共和国です。

10月、フィンランド共和国を訪問し て、ヨーロッパの森林先進都市北カルヤラ県と伊那市は、林 業・森林産業等の交流に関する覚書を締結しました。

　平成28年（2017年）、伊那市は「50年の森林（もり）ビジョ ン」を掲げ、ソーシャル・フォレストリー都市（社会林業）の宣 言をしました。

これは森林の持つ多用的機能、例えば生物多 面性を中心とした自然環境の保全、山地保全による災害に強 い山づくり、安定的な水源涵養(かんよう)、建築材としての活用、ペレッ トや薪などを活用して再生可能エネルギーを生活に取り組 み、またCO2の吸収など、50年後の次世代に森林・自然環境・ 林業を引き継ごうとする息の長い実践です。

　伊那市の活動は長野県とも目指す方向は一致し、以前から連携して森林・林業について取り組んできました。

そうした中 長野県の仲介でフィンランド共和国北カルヤラ県と伊那市と の覚書締結となりました。

覚書の内容は

（1）活動に関する情報 の共有

（2）科学技術・知見・イノベーションの知識の交流

（3）職 員および専門家の相互訪問の推進

などです。

スプルース（トウヒ属）、唐松、欧州アカマツの針葉樹に混交 するシラカバ林、どこまで行っても変わらない単調なフィンランドの森林を車窓から眺めると、ここはつくづく森林の国だと 実感できます。

美しい森林の叙景(じょけい)、静かな大小の湖とのコント ラスト、抒情(じょじょう)豊かな北欧の国フィンランドと森林を通じたおつき合いが始まります。